AIに何を任せればいいか、いまいちピンとこないことはありませんか。「結局自分にしかできないのでは?」と感じる方もいるかもしれません。
この記事では、AIに依頼する仕事の捉え方をひとつ提案します。「自分が本質的にできない仕事をAIにやらせる」のではなく、「本質的には自分にできるが、手間や時間がかかる仕事を肩代わりしてもらう」と考えると、効率化に使いやすくなります。加えて、すでに自分がやっている仕事なら、依頼内容を具体的に言語化しやすく、プロンプトが作りやすいうえ、AIの出力が正しいかどうかも判断できるというメリットがあります。
要点まとめ(先に結論)
- AIに任せる仕事は「自分にできないこと」ではなく、「自分にもできるが手間がかかることの肩代わり」と捉えると、依頼のネタに困りにくい。
- すでに自分がやっている仕事だから、「何をどうしてほしいか」「どこに気をつけてほしいか」を説明しやすく、具体的で注意点を入れたプロンプトが書きやすい。
- 自分で正解がわかる仕事なら、出力が正しいかどうかを判断できる(ハルシネーションやおかしな結果に気づける)。逆に自分にできない仕事を任せると、エラーに気づかないリスクが高まる。
- 「新しくこんな仕事をAIにやらせよう」より、「すでにやっている手間をAIに回して、自分は新しい仕事に取り組もう」と考えると、選ぶ仕事が明確になる。
PGP(Personal Growth & Productivity)として
PGPは、機微情報の線引きを前提に、知的労働を「続く形」に整えるブログです。今回の話は、AIの任せ方の考え方に焦点を当てたものです。AIツールの全体像や作業環境での役割分担は、AIツール活用事情(2026年1月)や作業環境まとめで別にまとめています。
二つの捉え方:「できないこと」と「手間の肩代わり」
AIに何を任せるかで、よくある捉え方が二つあります。
- 自分が本質的にできない仕事をAIにやらせる(新しい能力の外注)
- 本質的には自分にできるが、労力・時間がかかる仕事をAIに肩代わりしてもらう(手間の委譲)
後者に立つと、すでに自分がやっている仕事のなかから「手間のかかるもの」を選べるので、依頼のネタに困りにくいです。
さらに、自分でやっている仕事だから「何をどうしてほしいか」「どこに気をつけてほしいか」を説明しやすく、具体的で注意点を踏まえたプロンプトが書きやすい。加えて、出力が正しいかどうかを自分で判断できるので、ハルシネーション(事実と異なる出力)やおかしな結果に気づけます。逆に、自分にできない仕事をAIに任せると、そのようなエラーに気づかない・気づいても直せないリスクが高まります。

「本質的には自分にできる」とは
「本質的には自分にできる」とは、判断基準も手順も自分で説明できる・再現できる仕事のことです。ただし、繰り返しや量が多かったり、単純作業の割合が高くて時間がかかったりする。そういう仕事を「肩代わりしてもらう」イメージです。
例としては、下書き、要約、フォーマット整え、リマインドやリスト化、定型文の下書きなどが挙げられます。自分がやればできるが、時間や集中力を別のことに回したいものですね。例えば、以前の記事で、「メールから発生したタスクをNotionのタスクデータベースに渡す」という作業の肩代わりしてもらうプログラムのバイブコーディングを紹介していますので、ぜひ見てみてください。
ここで効率化が成立するのは、同じ質のアウトプットを、自分の時間を節約して得られるからです。
プロンプトが作りやすい理由
自分で手順・判断基準・失敗しやすいポイントを知っているので、「こうしてほしい」「ここは外さないで」「こういうときは避けて」などを言語化しやすく、具体的かつ注意点を入れた依頼文(プロンプト)にしやすいです。
出力を検証できる理由
自分で正解がわかる仕事だから、AIの出力が正しいかどうかを判断できます。ハルシネーションや、おかしな手順・結果に気づけば、修正や差し直しがしやすい。
逆に、自分にできない仕事をAIに任せると、間違いに気づかない、あるいは気づいても直せないリスクが高まります。私の体感では、「任せる仕事は、自分でも正解をチェックできる範囲にしておく」と安心感が違います。

言い換え:「既存の手間をAIに → 自分は新しい仕事へ」
もう一つの言い方をすると、こうなります。
「新しくこんな仕事をしたいからAIにやらせよう」ではなく、「すでに自分がやっている手間のかかる仕事をAIにできるようにして、自分は新しい仕事に取り組もう」。
こう捉えると、依頼する仕事の選び方が明確になります。今やっていることのなかで「手間」を特定するだけです。その分、自分が本当に価値を出したい部分(判断・創造・対人)に時間を振り向けられます(何をどこでやるかという役割分担の整理は、作業環境まとめでも触れています)。
具体例としては、メールの下書き、議事録の要約、RSSで情報収集の入口を固定したうえで溜まった記事の要約など、すでに自分でやっているが毎回時間がかかる作業から試すと取り組みやすいと思います。RSSの要約をAIに任せる例は、週次要約ツールを対話で作った記録で詳しく書いています。
新しい仕事に取り組むと、やがてその仕事が「自分にもできる仕事」になっていきます。その「できる仕事」は、今度はAIに任せられる候補になります。そうして空いた時間でまた新しい仕事に手を伸ばす、というよい循環が生まれる可能性があります。

実践のヒント:どう選ぶか・どう依頼するか
任せる仕事の選び方
- 日々やっている作業のなかで、「手順は説明できるが、毎回時間がかかる」ものをリスト化する。
- そのなかで、AIに指示しやすい(入力と期待する出力が言語化できる)ものから試す。
依頼のコツ(プロンプトの作り方)
- すでに自分がやっている仕事なので、「自分がやるならどうするか」「どこで失敗しやすいか」「ここは外さないで」を言語化しやすいです。その結果、具体的かつ注意点を意識したプロンプトが作りやすく、AIの出力品質も上がりやすい傾向があります。
- 自分でできる仕事だから、出力の正しさをチェックできる(ハルシネーションや不自然な結果を見逃さない)。「必ず確認・編集する」という前提は、この「判断できる」から成り立っています。
明日から試すチェックリスト
- いま自分がやっている作業のなかで、「手順は説明できるが時間がかかる」ものを1つ以上、メモに書き出してみる。
- そのうち1つについて、「何をどうしてほしいか」「どこに気をつけてほしいか」を短い指示文(プロンプト案)にしてみる。
- AIに依頼するときは、出力を必ず自分で確認する前提で、正しさをチェックするクセをつける。
- 「自分にできない仕事を無理にAIに任せない」ことも、エラーに気づけないリスクを減らすために意識する。
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本記事は、筆者の作業環境と体感に基づく一般的な情報です。個人情報保護や所属組織・取引先の規程に従って運用してください。AIの出力は下書きであり、最終判断・最終責任は利用者にあります。
