在宅勤務やハイブリッド勤務で、一日中PCに向かう仕事をしている方も多いと思います。目の疲れ、肩こり、集中力の切れ、仕事のON/OFFが付きにくい……そんな悩みは、「もっと頑張る」より先に、机・画面・情報の置き方を見直すだけで、かなり楽になることがあります。
この記事では、心理学と、厚生労働省の「情報機器(VDT)作業における労働衛生管理のためのガイドライン」をヒントに、PGPらしく「入口→置き場所→出口」で環境を整える視点をまとめます。機微情報を扱うナレッジワーカー向けに、身体的負担と心理的負担の両方を、明日から試せる形で整理しました。
要点まとめ(先に結論)
- 机の高さ・椅子・姿勢・視線・距離を見直すだけで、身体の負担はかなり変わる。
- 机の上とデジタルの「置き場所」を決めると、頭の中に抱え込む情報が減って疲れにくくなる。
- 始業と終業の小さなルーチンを決めると、オン/オフの切り替えがしやすくなる。
- VDT作業ガイドラインは、「全部やる」より自分の環境に落とし込める3〜5個を選ぶくらいのつもりで読むと続けやすい。
- AIや自動化ツールも、無理のない姿勢と環境があってこそ続く。ツールの前に、土台の環境を整える。
PGP視点:「入口→置き場所→出口」で環境を整える
PGPでは、仕事の流れを入口(始め方)→置き場所(情報・モノの置き場)→出口(締め方)で整理することが多いです。本記事は、その土台になる「環境・体の使い方・情報の置き方」にフォーカスします。デスクワーカーにとって、安全に続けられる環境づくりは、ツール選びと同じくらい重要です。

身体的負担を減らす「机と画面」の整え方
視線と画面の高さ
画面の上端が、目線より少し下に来るように調整するイメージがおすすめです。ノートPC単体だと低くなりがちなので、スタンドや外部ディスプレイを活用する選択肢もあります。私の環境では、職場や自宅では外部ディスプレイを利用して、首の負担を減らしています。
椅子と座り方
足裏が床につく高さ、膝が90度前後になる高さを目安にすると、長時間座っても楽になりやすいです。既存の椅子で高さが合わない場合は、クッションやフットレストで「今ある椅子を調整する」現実的なやり方で試せます。
机の高さ
VDT作業ガイドラインでは、机の高さは床から65〜70cm程度が目安とされています。設定の順序としては、まず椅子の高さを決めてから、ディスプレイ・キーボード・原稿などが無理のない位置に収まるように机の高さを決める、という流れが推奨されています。高さが固定の机の場合は、椅子の高さやフットレストで足の位置を調整し、キーボードを打つときに肘が自然な角度になるかどうかを目安にしてみてください。
照明・反射
画面の後ろから強い光が来ないようにする、窓の映り込みが出ないようにする、といった反射のコントロールだけでも目が楽になることがあります。デスクライトの位置と色温度(暖色/寒色)は、作業内容や時間帯に合わせてざっくり決めておく程度で十分です。これらの条件を満たしやすいライトとしては、モニターライトがおすすめで、私は職場でも自宅でもBenQのScreenBarシリーズを愛用しています。

休憩の取り方(VDT作業ガイドラインを踏まえて)
VDT作業ガイドラインでは、一定時間ごとに目と体を休める短い休憩を入れることが推奨されています。「全部守れていない」と気にしすぎず、5分休憩の間に何をするか(ストレッチ・水を飲む・窓の外を見るなど)を1つ決めておくだけでも、続けやすくなります。
心理的負担を減らす「情報環境」の整え方
机の上の「一軍・二軍」
毎日使うもの(PC・ノート・ペン)と、時々しか使わないものを分けて、「今のプロジェクトの一軍」だけを手元に置くようにすると、視覚的なごちゃつきが減ります。今日使わない書類は一旦どかして、進行中の資料だけを残す、というやり方です。
デジタルの「置き場所」ルール
タスクはどこに書くかを1か所に決めると、頭のなかの「やることリスト」が散らかりにくくなります。Notionの1つのDB、紙の1冊のノートなど、「ここに書く」を決めておくだけでも効果があります。メモやアイデアも、できるだけ1か所に集約する方針にすると、あとから探しやすく、心理的負担が減りやすいです。
通知と集中
通知が来る場所とタイミングをしぼると、集中しやすくなります。たとえばPCのメールバナーは切る、スマホの通知は「まとめて見る時間」を決める、といった運用です。逆に「見逃したくない通知」だけは残し、その他は後からまとめて確認する形にすると、切り替えが楽になります。
マルチタスクの罠
「次にやる1つ」と「今日はやらないもの」を分けるだけでも、頭の疲れが減りやすいと感じています。タスクの置き場所を1か所にしたうえで、今やる1つだけを意識するようにすると、心理的負担がかなり軽くなります。
始業・終業ルーチンと「切り替えポイント」
始業ルーチン
机に座る前に、飲み物を用意する、部屋の明るさを整えるなど、小さな準備を決めておくと、「仕事モードに入った」という感覚が持ちやすくなります。PCを開いてから最初の5〜10分で、今日のタスク確認やカレンダー確認をする、というルーチンもおすすめです。
終業ルーチン
机の上を「明日の自分がすぐ始められる状態」にする片付けを習慣にすると、気持ちの区切りがつきやすくなります。今日やったことを1〜3行メモする、明日最初にやるタスクだけを書いておく、といった出口のルールを1つ決めておくだけでも効果があります。
オン/オフの「区切り」を作る
BGM・照明・椅子の位置など、オンとオフで変える「スイッチ」になりそうな要素を1つでも持っておくと、在宅勤務でも仕事と私生活の境目を作りやすくなります。作業中だけ使うデスクマット、作業中だけ使う椅子、といった物理的な切り替えでも構いません。

ガイドラインとの付き合い方と個人差への配慮
VDT作業ガイドラインは、「全部守れていない=だめ」ではなく、自分の環境で取り入れやすい項目を3〜5個選ぶくらいのイメージで読むと続けやすいです。机の高さ・画面の高さ・休憩の頻度・照明など、まず試しやすいものから取り入れてみてください。
持病や痛みの有無、年齢、仕事内容によって「ちょうどいい環境」は人それぞれです。不調が続く場合は、産業医・主治医などの専門家に相談しながら調整することをおすすめします。
明日から試すチェックリスト
- 机の高さを確認する(床から65〜70cmが目安。椅子を先に合わせてから、肘が楽な高さになるか見直す)。
- 画面の高さと距離を5分だけ見直す(スタンドや本で調整できないか試す)。
- 椅子と足の位置を変えて、「足裏が床につく」「膝が90度前後」に近づけられないか確認する。
- 机の上から「今日使わないもの」を一旦どかして、一軍だけを手元に残す。
- タスクの「置き場所」を1か所に決めて、今日の残りタスクをそこに集約する。
- 始業と終業でそれぞれ1つずつ、「これだけはやる小さなルーチン」を決めてメモに書く。
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免責・注意書き
本記事は、筆者の作業環境と体験に基づく一般的な情報です。体調や持病、勤務先の環境によって「ちょうどよい環境」は異なります。必要に応じて、産業医・主治医などの専門家と相談しながら調整してください。個人情報保護や所属組織・取引先の規程に従って、環境改善やツール導入を行ってください。ツールやAIの出力はあくまで下書きであり、最終判断・最終責任は利用者にあります。
